そのとき。晴ちゃんのお母さんが言った。





「桜ちゃん…?」



あたしは、ハッとしてお母さんに向き直った。



「あ、はい。」



晴ちゃんのお母さんの顔は、先程の不安げな表情から、どこか晴れ晴れとした表情に変わっていた。



「ありがとうね、桜ちゃん。晴のところへ会いに来てくれて。

この子、桜ちゃんのことは最後まで気がかりだったと思うの。

だから、今日こうやって会いに来てくれたから、晴も絶対に嬉しかったと思うわ。」




あたしは、微笑むとお辞儀をした。



「こちらこそ、ありがとうございました。

お母さんと会ったこと、ないのに…こうやってお家に呼んでいただいて、嬉しかったです…。

私も、すごく嬉しかったです。」




そのあとは、リビングでお茶とお菓子を頂きながら、晴ちゃんのお母さんと、おねえとお話をした。



入院中、晴ちゃんとあったこと、遊んだこと…たくさん。



そんな話をしていたら、いつの間にか夕方になっていた。