「晴、ちゃん…。」




あたし、思わず立ち尽くした。



晴ちゃんの遺影の前で。




あたしは、そっと正座をすると、お母さんに持っていけと言われたお菓子を置く。


それともうひとつ。




あたしは紙袋の中から、色とりどりの折り鶴を取り出した。



千羽鶴。



もちろん、全部自分で作った。


折るのは、亮樹兄ちゃんと茜さんにも手伝ってもらったけど…。






全部で千羽。ひとつひとつ自分でつなげた。



晴ちゃんが作ってくれたよりか、不格好だけどね。


真ん中に大きく、「ありがとう」って書いた紙も一緒につるした。






「晴ちゃんのお母さん、これ、ここに置いといてもいいですか?」