「なーんだぁ…そういうこと。」




ふにゃって力なく笑う実優。



「…なんか、ごめんね。翔から聞いたんでしょ?」





「そう!翔が…。ったくぅ…勘違いさせるような言い方しないでほしいよ!」




いや…それは実優が最後まで聞かなかったからでしょ。



喉まででかかった言葉を飲み込んだ。



心配して来てくれたんだもんね。




実優は机にカバンを下ろすと、イスに座った。




「それで、なんで病院なんかにいたの?」




あ、それはね…。



あたしは、今までのことをすべて話した。


検診の時のことから昨日のことまで。



すると、実優は難しい顔をして、首をかしげた。




「うーん。そのヒカリちゃん?が気になるの?桜は。」



あたしはうなずいた。



「いや、ほんとに少し。なんか、検診の時に見た顔が忘れられなくて。」




なんとなく、ほんのすこしだけ、前までのあたしの顔に似たような。