けど、見つからないかぎり何もできないし。




「亮樹兄ちゃん、見つかったら教えて!」





すると、亮樹兄ちゃんは目を点にした。




「え、どうして?」




「なんか、会ってみたい。話してみたいの。」





優しく微笑む亮樹兄ちゃん。




「わかったよ。」






あたしは微笑むと、ベッドから降りた。




学校のカバンも持った。





「じゃあもう帰るよ?検査は大丈夫だったんでしょ?」




「もちろん。」





「じゃー帰りたい。」






小さい頃からの癖か、診察室にいると早く帰りたくなる。





「じゃあね、亮樹兄ちゃん。」




手を振って出ようとすると、





「あ、俺今日は遅くなるから先にご飯食べて寝てな?」





いや、待って。



わかったけど、ここ病院…他の人もいっぱいいるのにそんな大きい声で言わないでよ。




「亮樹兄ちゃん声大きい!わかったから!」





それだけ言うと、足早に病院を出た。