「そうなんだよなぁ。警察にも捜索届出してるけど、まだ見つかってなくてさ。」





「お母さんとかお家の人は?」





亮樹兄ちゃんは首を振った。





「その子、病院に運ばれたとき、保護者がいなかったんだよ。

だから、今も探してるんだけどね…」






そ、そうなんだ…。



親が、見つからない。



それで、病気とか…。




ズキリ、と胸が痛んだ。





「はやく、見つかるといいね。その子。」






他人事じゃない。


あたしだって、そうだったんだよ。




病気で運ばれたときは施設にいて…亮樹兄ちゃんと出会ったから。





亮樹兄ちゃんが引き取ってくれるって言ったから、あたしは今ここにいるし。






その子のこと、探してあげたい。




何か、助けれることはないのかな?