とぼとぼと病室に戻る。
亮樹兄ちゃんの悲しげな顔が頭から離れない。
…あたしのせいで、みんなが苦しんでるのかな。特に亮樹兄ちゃん。ずっと、あたしと一緒だから…。
あたしは、ぎゅっと拳を握りしめた。
「…絶対に、完全に治す。」
心の奥底から、そう思った。
考えてみれば、がんは寛解したんだ。
今は経過観察が必要ってだけでさ。後は、安定するまで注意しなきゃいけないってだけで…
うん、大丈夫。
何度も何度も自分に言い聞かせて、勝手に出てくる涙を拭った。
ダメだ…泣いてばっかりじゃ。
あたしは、無理やり笑顔を作った。
「大丈夫。笑顔。」
小さく呟いた。
…とは言っても、治すのには絶対安静って言われたし。
寝てるしかないのか…。
ベッドに横になると、ため息をついた。
早く治れ。早く治れ。
…早く、治ってよ……
ポロリと涙が頬を伝う。
…ダメだあたし。泣いてばっかり。
「…早く良くなりたい。」
お願い。普通の生活でいいから。それしか望まないから。
…早く治してください。神様。


