翔は首元をポリポリとかくと、気まずそうに視線を逸らした。




「まぁ……いんじゃね?ふつうに。」




へ……?


な、なにそれ。聞いてない…




「こいつー!はっきり言えやー!可愛いって!」



そして、実優の全力アタック。


翔の横腹にヒット。




「いってぇー何すんだよ!」



「素直になれ!男のくせに!」




あ、小競り合いが始まったよ…。


けど、いんじゃね?って言ったよね…


よ、よかったのかな?昨日の。


なんか…嬉しい…。





「うるせー、お前に言われたくねぇわ。」




「はぁ?あんたよりか素直だし!」





そんなことを言ってると、学校に到着。



ち、ちょっと。下駄箱のところ来てまで、ケンカするのやめて…


他人が見てるから…





「…あ、そういえば桜、お前大丈夫か?」




突然、あたしの顔を見て言う翔。


だ、大丈夫って何が…?



翔は、実優がクラスメイトのところへ行ったのを確認すると。




「ちゃんと寝たか?」



ドキッ…

な、なんでわかるのこの人。




「…ん、まぁ、それなりに…」



「寝てないな。

んで?なんでこんなに声枯れてんの?それに、目がちょっと赤いし。」