「桜、おはよー!」





いつもの道を登校中、後ろから走ってきた実優に肩を叩かれた。




「…あ、おはよ、実優」




や、やばい。声が……



実優は不思議そうに首をかしげる。





「声、どうしたの?ガラガラじゃん…」




あたしは苦笑いして首を振った。




「あ、ちょっと喉やられてさ。風邪かなー?」





「えー、本当にー?」




…嘘です。



本当は………



その時、聞きなれた声がした。




「桜、実優。」




振り返ると、翔だった。



すると、実優が待ってましたと言わんばかりに、翔に蹴りを入れる。



「ちょっ、お前朝から何すんだよ…」




「ちょっと翔!昨日の桜はどーだったよ?

可愛かったっしょ?」





「え、あの実優……」




完全に忘れてた。昨日、お化粧したのを翔に見せて……




「昨日…?あ、あれ実優がやったのか。」




実優が首をぶんぶん縦に振る。





「そう!それで?」