「わかってるもん!

亮樹兄ちゃんがなんで私の事決めつけるの?

他人なのに!わからないでしょ?」




…さすがに言いすぎた。


けど、後には戻れなくて。




聞こえてきたのは、亮樹兄ちゃんのため息だけ。




「…もういいよ、だったら好きにして。

何があっても、知らないからな。」




それだけ言うと、またキッチンに戻ってしまった。





ひとりポツンとソファーに残され、スカートの裾を握りしめていた。





勢いで部屋に戻ると、鍵をして、そのまま座り込んだ。



次々と涙が溢れて、止まらない。




…こんなはずじゃ、なかったのに。


ただ、元の普通の生活に戻りたかっただけなのに。



不安でこわかっただけなのに。




悔しさやら、悲しさやら、感情がぐちゃぐちゃで、ただ涙だけが流れた。





もう、わかんない。



あたしなんか、あたしなんか……




もういい。もういいや。




勝手にするし。あたしだって…できるし。




震える手を必死で握りしめた。