キーンコーンカーンコーン





「あぁぁ……やだよ…。」




終礼のチャイムがなった瞬間、あたしは机に突っ伏した。





やだやだやだ…。





あたしの変化に気がついたのか、横から実優が顔をのぞかせる。






「桜?どーしたの、調子悪いの?」





ちがう…ちがうの!



あーもう。この記憶、消したい。



知らなかったことにしたいぃ…。





そのとき、腕をぐいっと持ち上げられた。





「ちゃんと定期検診いけよ?もう出ないと時間に間に合わないだろ?」





「だぁーっ!翔、言わないでよ!

せっかく記憶から抹消しようと努力を…」
 





ってか、なんでうちのクラスにいんのよ!


あんたクラス隣でしょ?







「なんだって?」





うっ、翔の顔こわい。



翔は、はぁと深いため息をついた。






「お前いつになったら病院嫌い克服できるんだよ…。

てか、そんな努力するなら、いい加減自分から行けるようにする努力しろよ?」






カバンをわたされて、しかたなく立ち上がった。