ギイ、と鈍い音を立てながら扉が開く。

 そこに現れたのは、クラスメイトの男の子。
 私と視線を交錯させる。


 私は動揺して口を開けない状態だったけど、クラスメイトの男の子は目を三日月みたいに細めて微笑んだ。


「いつも聞いてくれてありがとう」


 予想外の言葉に目を剥く。まさか、知っていたなんて。


「良かったら、中に入って直接聞いてくれない?」


 男の子の目はまるで雨に打たれた子犬みたいだった。


 小さいはずの私の胸が膨らむ。