授業が終わると、途端に静かになる。


 遠くの方で金属音が響く。野球部の人がヒットを打ったらしい。


 私は一人残った教室でのんびりと帰り支度をしていた。
 どうしてこの時間にやっているのかというと、特に理由はない。ただ、周りと何テンポも動作が遅いせいで、こんな時間になってしまっただけ。


 窓に西日が差し込む。茜色の光に反射された埃がキラキラと光る。


 どうして夕暮れというのはこんなにも寂しい気持ちになるんだろう。

 景色はとっても素敵なのに、心を抉られる。