ピース

 「へっ……?」



 後ろからぎゅっと抱き締められた感触と、聞き慣れた、低い声。



 「彩だって……」



 相変わらず空で光っては消えて行く沢山の花火が、少しだけ声をかき消す。



 「千裕……?」


 「来年も花火大会来ようって、約束しただろ……!」


 「千裕……ねぇ、好きな人と一緒なんじゃなかったの……?」


 「……彩の、バカ……」



 耳元で囁かれた声。