ピース

 とぼとぼと歩いていると、私は人波から抜けた。


 街灯の光が一筋だけ一点を照らしているような、薄暗い丘に出る。


 毎年、千裕と花火を見ている場所だ。


 着なれない浴衣で丘を上り、持っていた薄いハンカチを取り出して芝生の上に敷こうとした、そのとき。



 __ドンッ……!



 「わっ……!」


 大きな音が、耳に届いた。


 驚いて振り返る。


 そこには、大きく丸い花火がいくつも打ち上げられていた。