ピース

 花火大会……結局来てしまった。


 もしかしたら途中で、千裕と……千裕の好きな人とすれ違うかもって、ちょっと浴衣も着てきたり……。


 太鼓の音が遠くから聞こえる。


 ぞろぞろと流れる人混みに流されながら、私はスマホを片手に、写真を撮る。


 屋台の名前や、赤色の淡い光を放つ提灯。


 こっちはすごく楽しんでるよ、って、送りつけてやろうかな……。


 送信ボタンに手をかけて、やめる。


 ダメだ。


 苦しいよ……。