ピース

 明日から、夏休みが始まろうとしている時。



 「彩ー、早く帰るぞー」


 「わあっ、ちょっと、早いよっ」



 慌てて鞄に荷物をつめる私のことは手伝いもせずに、先に教室の入り口まで歩いていこうとするのは、私の小さい頃からの幼馴染みで、私の好きな人でもある、千裕。


 いつも明るくて、クラスのみんなからも人気だ。


 机から教科書やノートをかき集めて抱えると、そのまま鞄につめこんで、千裕を追いかけた。



 「もおっ、ちょっとくらいは待っててよっ」


 「お前がホームルーム終わってもボーッとしてるのが悪いんだぞ? みんなとっくに帰り始めてるのに」


 「うぅ、でも……」