「ほら、だからこんな細いんだよ。折れるぞ?」

「そんなヤワじゃないもん!」


ほらね。

海はいつだって私をオンナノコとして見てくれない。

この関係は、ずっと停止したまま。


「あ、そうだ。今度大会だから見に来いよ」

「へぇ〜。わかった」

海はバスケ部に所属しているのだけど、飛び抜けて上手い。

昔からから運動神経が凄くよかったから。


でも私は、バスケをしている海があまり好きじゃない。

海が遠くの人のように感じるから。


海はルックスも良く、圧倒的なエースの存在感からとてもモテる。

だから試合中なんかは特にファンが多く詰めかけて、私が近くに行ける余裕も無くなってしまう。