ねぇ、先生










あのあと、モーニングコールがなって3人とも起きた。











今日は戦争の体験談を聞く。








そうだよね、修学旅行は勉強のために行くんだから。













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「うぅ、うえ〜ん」




雅と声を上げてなく。




とても悲しい話だったから。









そっか、沖縄ってこういう過去もあったんだ、細かくは知らなかったけど







話してくれた人の話が悲しくて泣けた。











婚約までは決まってたのに
結局恋人は戦争で帰らぬ人となってしまった話だった。











『愛してました、幸せでした。あの人の笑顔が今でも頭に浮かびます。






戦争は大切なものを奪う行為です。そんなことをして大切な人をなくした方はたくさんいます。






この悲しみを、戦争を二度としてはいけないということを私達は後世に伝えていかなければなりません。』













胸が苦しくなった。







恋人を失うなんて、どんな気持ちだったんだろう。








私には考えられない、








先生を失ったらもう立ち直れないよ












話と重なって、もしそうなったら…って思って涙が出た。











悲しすぎる。










「凛〜悲しいね、悲しいね」





雅も泣いていた。










そっか、雅にも吉沢くんが…









きっと雅も私と同じように考えたんだと思う。









吉沢くんは隣のクラスの雅の彼氏。




1年の後半に付き合い出して、なんだかんだ仲良くやっていた。









結構周りが知ってるくらい有名なカップルだった。





仲いいし、喧嘩したところも見たことない。










相性がいいんだなと思う。








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観光を終えてホテルに戻ろうとした時から、美紀ちゃんの様子はおかしかった。









顔が赤いというか、ぼーっとしてて。










部屋に戻って入浴の準備をしていると




「美紀!大丈夫?!」




呼びかける香菜ちゃんの隣に朦朧としている美紀ちゃんがいた。










「すごい熱…!先生に言いに行かなくちゃ!」





そう言って雅は部屋を出ていった。







「大丈夫?美紀ちゃん!」





きっと、気温の急な変化に体調が悪くなったんだ。






私と香菜ちゃんは先生が来るまで美紀ちゃんの介抱をした。