凛side






「うぅ…先生…っ」









自分から別れを告げたのに、後悔が頭の中をめぐる。








「嫌だ…嫌だよぅ、、っふぇ」










嗚咽混じりの鳴き声が図書室に響く。











好きなのに、でも迷惑をかけたくなくて"好きな人がいる"って嘘をついた。








なんであんな嘘ついたんだろう、もっとましな嘘つけばよかったのに…














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あれから数日が経った。








私はどうしても学校に行く気がなくて休みがちになった。








行っても、先生に会うのが辛いから。









私こそ逃げてるじゃんか、忘れようと思っても忘れられないし。









先生は今頃また先輩達と話してるのかな。











卒業したら先輩と付き合ったりするのかな、










そんなことを思うと胸が痛くなった。








深呼吸してベッドから出る。










勉強は置いていかれたくないから家でもするようにしてた。











でもやっぱり物理だけは苦手だった。






















でも今日はその物理をやろうと思ってワークとテキストを開く。








この間補習した範囲をもう一度やり直そうと思ってノートも開いた。










あの時は、必死でノート書いてたなーって、びっしり書かれてるページを見て思う。








すると、あるページで手が止まった。











そのページも同じようにびっしりと書いてあったけど










一つだけ、私と違う字で文字が書いてあった。





















"大切です"

















「…っ」







これ、先生の字だ、、





先生の補習の授業を受けた日だ、きっとあの時書いたんだ











「先生…」









ちゃんと、好きでいてくれたんだ、あの時












やっぱりまだ先生のことが忘れられてない。













このページはずっと私の宝物だよ、先生。