まさか、、あはは、そんなわけ…
と思った瞬間手を片手で抑えられて口になにか生暖かいものが当たった。
むにゅっと当たるそれは彼の唇だった。
「ちょっ!やめてってば!…んっ」
図書室は端っこにあって、誰かいる気配もなくて助けを呼んでも無駄だった。
やばい、このままじゃ本気でやられる…!
なんでよりにもよってこいつなの!?
いやだ、汚い、やめて、触らないで
そう願っていると
「あのー、君たち図書室をラブホ代わりに使うのやめなさーい」
奥の方から聞き覚えのある声がした。
輪島くんは「やばっ!佐伯じゃん!」
と言ってそそくさと逃げていった。
「佐伯先生」
私に呼びかけられた名前の持ち主は
「んー?」
と言ってこっちに歩いてきた。
「ありがとう先生、助けてくれて」
「別に助けてないよ、竹内が襲われてるところなんて見てないよ」
はっきり目撃してんじゃん、と思って笑ってしまった。

