さて、是非皆さんにも考えていただきたく思う。この1節は、百人一首の中でどの歌について書いたものであろうか。


すぐに分かるであろう、盲目の琵琶の名手、蝉丸が詠った、「これやこの」である。


これやこの 行くも帰るも別れては
知るも知らぬも 逢坂の関


これはこの名高い、東へ行く者も西へ帰るものもここで別れて、互いに知るものも知らない者も出会う、逢坂の関。


ここに音楽的要素を持ってくるか、と、度肝を抜かれた。