奏でるものは 〜功介〜



広い国道沿いのコンビニに、バイクを駐めた。

「ちょっと待ってて」

昌が、横断歩道を渡ってその先の角を曲がって見えなくなった。


「昌はどこ行ったんだ?
……とりあえず、コンビニ、入るか」


促されてコンビニに入った。
何も飲みたくないが、飲み物を買ってコンビニから出ると、昌が小さなブーケを持って横断歩道をこちらに向かっていた。


「気が効くんだな」

優が笑って言って龍が頷いた。

俺は、感謝した。花なんてすっかり忘れていた。


「行こうか」

あるき出した昌に、続いた。


自然についていくのではなく、俺は必死で足を動かしていた。