奏でるものは 〜功介〜



30分ほどで昌が戻ってきて、新しいマンガを持っていた。


携帯を触っていても、内容は頭に入らない。


内心は吐き気がするほどの、嫌なざわつき。




4時過ぎになって

「行こうか」

3人に声をかけると、優がじっと俺を見ていた。


「本当に行くのか?」

「行きたくないのか?」

優に聞いた。


「俺達は功が行くなら行くよ。
無理して行くなら、止めとけ」

「知ってるんだ、俺の家の近くだろ?

分かってるんだ。

でも……俺は、お前らが……いるから、大丈夫」


「行こうか。
何があっても、連れて帰ってやるよ」

龍の一言で、全員が立ち上がった。