奏でるものは 〜功介〜



「功介さんも……辛かった?」


泣きながら言ったミリを抱きしめた。



功介さんも……、そう言ったミリも辛い日々だったのだろう。

愛していたんだろう。


ずっと耐えて、誰にも分からないように頑張っていたのだろう。


「多分、同じだよ。辛いなんてものじゃない。
どうしたらいいのか分からない、どうやって生きていったらいいのか。


でも、責任を持って、そして、選ぶことができる自由も持って、生きて行こうと、思うんだよ」