奏でるものは 〜功介〜



そんなことを考えながら、いつもより長く湯船に浸かって、軽くバスルームを流して、ドライヤーで髪を乾かしてから部屋に戻ると、ミリはテレビをつけたままソファーでうたた寝をしていた。


やっぱり疲れているのだろう。


ソファーの横に立って、その寝姿をみていると、ミリが目を覚ました。



「ちょっと寝てたのね、私」

「ベッドで寝てくるか?」

「いい、ちょっとスッキリしたわ。ね、ビール飲まない?」


ビールを持ってくると、チャンネルを変えながらミリが少し体を動かして隣のスペースを空けたのでミリの隣に座った。


「乾杯」


缶を二人でくっつけてビールを一口飲んだ。
ゴクゴクと飲んだミリに少し驚いたが、テレビを見始めた。



ビールを置いて、ソファーに深く凭れて、テレビを見ていたミリが、ねぇ、と話しかけてきた。