奏でるものは 〜功介〜



「姉が事故にあったこと、いつ知ったの?」

思わずカオリちゃんを見た。

龍が、昌に聞いたと答えた。

あの日、唯歌の家の近くの駅まで行って喪服の人を見かけて、俺のせいだと思ったことを言いながら俯いた。



「あの日、警察から連絡が来て、病院に行ったら、もう、治療はしてなかった。

姉のそばに行ったら、姉が私をみて、言ったの」


カオリちゃんが、少し言葉を震わせた。