奏でるものは 〜功介〜



……唯歌……


横の墓碑には、唯歌、とあった。

指で撫でる。



その時、カオリちゃんが墓石の前に膝を着いて、ポケットから指輪を出して並べた。

ドキッとした。



「これ……」


カオリちゃんの戸惑ったような声がした。



「唯歌の指輪、あったんだ?ありがとう」


指輪を見つめた。