夕日の色

そう考えていると委員長があたし達に気付いて駆け寄ってきた。


「奥原君、おはよう!」


「お、おはようございます」


戸惑いながらも委員長に挨拶を返す奥原。
すると委員長があたしの方を見た。
そして少し眉を下げて下を向いた。


「荻島さん…昨日はごめんなさい…。」


……は?


委員長は奥原に分からないように怒った顔をしてあたしを睨んだ。
そして頭をあげると泣きそうな顔をしていた。
演技派なの?奥原の前じゃいい子ぶってあたしの前だとソレ?
そんなに奥原から良い目が貰いたい?
そこまでしてあたしから遠ざけたい?
ふざけないでよ。


「荻島さん…?」


奥原が見ているから泣きそうな顔であたしの顔をのぞき込む委員長。


「え?あ、あぁ…。別に」


少し冷たかったかな?
…ううん、これくらいでいいんだ。
奥原はあんたのものじゃない!