夕日の色

「し…。静かに。分かりますか?」


ドキン、ドキン、ドキン…


あ…あたしと同じだ…。いや、それよりも大きい、速い…



「荻島さんといると僕の心臓もうるさくなるんです。それは僕が荻島さんの事が好きだからですよ」


あぁやっぱり…夕日のせいだ。
…だって…こんなにも奥原にドキドキしてるんだから…


「ね、ねぇ、聞いてもいい?」


あたしは奥原の胸から手を離すと下を向いた。


「はい」