夕日の色

「いえ、本当です」


ドキン……
何だろう…夕日のせいかな。奥原が違う人に見える。
やけに大人びて…かっこよく見える。
ドキン、ドキン、ドキン


「で、でも何で…分かるの?それが恋って…」


「恋をしていると相手の事を考えるだけで胸が高鳴ります。相手と話したりする時もずっとドキドキなるんです。無意識に相手の事を意識してしまうのが恋なんですよ」


ドクン…
これが…恋?
ドクン……
なら、誰に?
ドクン…


「でも、あたしが恋って…心臓、今もうるさい…」


奥原は微笑むとあたしの右手を自分の手に当てた。


「え!奥原…!?」