夕日の色

それで結局あたしは奥原と帰ることになった。
しょうがなく返事はしたもののさっきからお互い何も喋っていない。
無言のままただ歩いているだけ。


……き、気まずい…。
嘘かもしれないけどあたしの事好きって言った奥原と帰るなんて…。


「聞きますか?質問の答え」


ふと奥原が立ち止まった。


とうとう…聞けるの?分かるの?あれの正体が…


「う、うん」


緊張してまた胸がドキドキしてきた。
奥原は少し間を置いて言った。


「それは恋ですよ」


………へ?



あたしは今すごく間抜けな顔をしているのが自分でも分かった。
だって恋って…


「あ…はははは!嘘だ〜、だってあたしだよ?あたしが恋なんて…するわけないじゃん〜」


奥原は笑わなかった。それどころかますます真剣な顔をした。