夕日の色

何か緊張する…。
そう思った時……


「奥原君!!」


下の階段から大きな声がした。それと同時にあたしは奥原から手を離した。目を向けると…やっぱり委員長だった。
ていうか何でここが?


「国光さん…」


「あの、体調…悪いって行ってたから保健室に様子見に行ったら居なくて…どうして荻島さんが?」


委員長は明らかにあたしを敵対しているようだった。


「荻島さんは…「好きなの?」


何かを言おうとした奥原の声を遮って委員長が言った。


「え?」


「荻島さんの事…好きなの?」


な、何で今聞くの!?本人ここにいるじゃん!
せめていない所で聞いてよ!


奥原は黙り込んでいる。
ほら、やっぱり奥原はあたしの事を好きじゃないんだよ。
ハッキリ言えないのはそれが本当だからだ。


「ちょっと、何言ってんの?そんなわけないじゃん。人を困らせるような事委員長がしちゃダメだよ。あたし…もう行くから」


あたしが階段に1歩踏み出した時、


「好きですよ」


と奥原の声がした。


ドクンッ
胸が大きく鳴った。
そして足が止まった。


「荻島さんの事好きですよ」


「で、でも荻島さんは奥原君とは合わないじゃない!性格もどっちかと言えば反対だし…」


委員長は焦り気味に言っている。


「ねぇ奥原君!本当に好きなの!?」


「もうやめてって!」


あたしは思わず叫んだ。