夕日の色

「あたし、おかしいんだよ。最近。奥原にこ、告白されてから…ずっと」


あたしは階段に座り込む。


「心臓がうるさいんだ。奥原と関わるようになってから奥原と何かあるたびにうるさくなって痛くなって…でも、何なのか分かんなくて…」


ほら今もずっと…。
心臓の音が鳴り止まない。
もしかしたら奥原に聞こえてるかもしれない。


「和花に聞いたらね、自分の気持ちに素直になると分かるかもって言ってたんだ。でもあたし素直じゃないし生意気だし女の子らしくないからちっとも分かんなくて…」


素直になるってどういう事?
自分の気持ちに嘘ついてる事は素直にはならないよね…。


「奥原は…分からない?これが何なのか」


そう言って奥原を見上げると奥原は顔を赤くして右手で口元を隠していた。


「奥原…?」


首を傾げて呼ぶともっと顔を赤くして視線を逸らされた。


「大丈夫?」


あたしが立ち上がって奥原に近寄ろうとすると「だ、大丈夫ですから!そこにいてください!」と言ってしゃがみこんだ。