夕日の色

「ま、真央ー!?」


あたしは奥原に手を引かれて屋上に続く階段へと連れて来られた。


ここは人気が少ないからリラックスする時に良く来る所なんだよな。


奥原は手を離すとあたしに向き直った。


「お、奥原…体調悪いんじゃなかったの?」


「すみません、嘘です」


申し訳なさそうに視線を下に向ける奥原。
でも、何で?


「ど、どうして嘘ついたの?」


そう聞くと奥原は視線を上げた。


「先程の話…他校の方と遊ばれるんですか?」


「え?そ、そうだよ」


正直楽しみなわけでもないけど…。
モヤモヤしたままは嫌だし、自分で何とかしてみたいし。


「どうして…ですか?」


奥原はあたしの目をまっすぐ見つめて言う。