夕日の色

「いーんちょーそっちの方が似合うわー」


「何で今まで気付かなかったんだろうなー」


朝から委員長はずっと男子に囲まれている。
案の定、男子を射抜いたらしい。
それに奥原も付き合っているだとか言われていた。


チラッと隣を見ると奥原はまた難しそうな本を読んでいた。


「ね〜真央聞いてるー?」


「ん?あ、ごめん、聞いてなかった」


「え〜、今日ずっとぼーっとしてるよ?ま
、いいや。今週末に他校の男子達とあたしらで集まるんだけど真央も行く?」


「あたしは…いいよ。そーゆーの興味無いし。向いてないと思う」


「絶対言うと思った!でも真央!男子に興味を持つチャンスだよ!もう高校生なんだから恋愛とかにも関心持たなきゃダメなの!」


恋愛ねぇ…。
あ、でも…あの胸の痛みの理由が分かるかもしれない…。


「……い、行ってみようかな…」


「え!?ほんと!?やった!」


すると突然ガタッと大きな音がした。
隣を見ると奥原が立っていた。そしてあたしを見ると


「僕、ちょっと気分悪いんですけど、荻島さん、保健委員ですよね?一緒に来てくれませんか?」


と言ってあたしの返事も聞かずあたしの手を引いて教室を出た。