夕日の色

「っ…!自分が好かれてるからって…余裕があっていいわね、羨ましいわ」


嫌味を込めてそう言ったのだろう。


「別に好かれようなんか思ってないしそういうねじ曲がった根性のせいじゃないの?そういう妬みしかできないの」


「な、何なの!…とにかく!あたしは奥原くんを振り向かせて見せるから!」


「別に好きにすればいいじゃん、ほんとめんどくさい」


委員長は顔を真っ赤にしてカフェを出て行った。
あたしはため息をつきながらイスに座る。


…お客さん、いなくて良かった。


店内にいたお客はあたしと委員長だけだったようで誰にも見られていない。


それにしても、何で女子っていうのは恋愛事にそんな必死なんだろう。
……でも…。


あたしは胸に手を当てる。


奥原の事になると胸がすごく痛くなる。
これはほんとに何なんだろう。


あたしは考えるのを止めてカフェオレを飲み干すとお会計をしてカフェを出た。