店内を歩き回っているとふいに「荻島さん?」と名前を呼ばれた。


驚いて振り向くとそこには分厚めの本を持った委員長がいた。1人で。


「い、委員長!」


「奇遇ね。荻島さん1人?」


「う、ううん。外で和花が待ってるんだ。委員長は1人…?」


委員長は少し迷ったように黙ると「ううん」と答えた。


ドクンッと今までにない苦しさが胸をしめつける。
その時、それを見計らってのように「荻島さん…?」と声がした。声のした方を見ると驚いた顔をしている奥原がいた。


「お、奥原…」


また胸がドクンと鳴る。


「どうして奥原が…?」


「国光さんと一緒に少し買い出しを」