夕日の色

「もし2人が付き合ってたとしてもそれは真央には関係無い事でしょ?どうしようもないし」


付き合っていたら…。
ズキッ
胸が痛んだ。何これ…


「真央?聞いてる?」


思い出して、奥原が行きそうなところ…


――――今日は本を見ていたら時間になっているのに気が付かなくて


「本屋さんだ!」


あたしは和花の手をとって駆け出した。


「ま、真央!」


確か本屋はこの階の奥の方!


周りの人を押しのけるようにして走る。
本屋の前まで来ると「真央!」と和花に呼ばれ、立ち止まった。


「あ、ごめん…」


和花は少し息を切らしていた。


「真央…何がしたいの?」


少し怒り気味に言っている。


「……分かんない…でも、何か気になって…」


もう一度ごめん、と謝ると和花は近くにあったイスに座ってまたため息をついた。


「良いよ、早く探してきなよ。ここで待ってるから」


荷物預かるよ、と言って和花はあたしの荷物を持った。


「あ、ありがとう」


あたしはゆっくり本屋に入っていった。