あたしもイスに座るとみんなで手を合わせた。


「「いただきます！」」


シチューを口の中に入れると心がホッとした。
お母さんの料理はすごく美味しくてその中でもシチューは特に美味しい。
あたしは小さい頃からお母さんのシチューが大好き。


「んー美味しいー！やっぱお母さんのシチュー美味しい！！」


「あら、そう？ありがとね」


お母さんはニコッと笑ってシチューを口に運んだ。


「あ、そういえば今週末に咲希来るから」


咲希さんはお兄ちゃんの彼女の名前。『本山咲希(ﾓﾄﾔﾏｻｷ)』さん。


「まぁ、そういえばお母さん会うの久し振りね。楽しみだわ」


手を合わせてお母さんが笑う。


「咲希さんは優しいし礼儀正しいもんな、お父さんも楽しみだ」


お父さんも言う。
あたしも、いつか誰かを家に連れて来る事があるのかな…。
ふと奥原の顔が頭をよぎった。
…え！？何で奥原が！？
いやいやいや、今のは何でもない、そうそう。


「真央？どうしたの？手止まってるわよ」


お母さんに言われ、あたしはハッと我に返った。


「ん？あ、うん…」


シチューを食べ終わるとあたしはお風呂に入った。