夕日の色

「大丈夫ですか?」


奥原に心配されながらもあたしは階段を上がる。


「これぐらい大丈夫!先生も安静にしてれば良いって言ってたし!」


ちょっとは痛むけどね。


「僕があそこに居合わせなかったら荻島さんがケガする事はなかったんですけど…」


少ししゅんとする奥原。
あたしは奥原の背中を軽く叩いた。


「だから大丈夫だって!あたしはそこら辺の女子とは違うから!丈夫なの!」


あたしが胸をドン!と叩いて言うと奥原はクスッと笑った。


「そうですね。荻島さんは他の方とは違います。僕から見れば輝いて見えます」


そう言って微笑む奥原を見て今朝の事を思い出した。