「そういえば足はどうですか?」


「奥原のお陰でだいぶ楽だよ!ありがとね」


「それなら良かったです」


「でもおんぶしてたの色んな人が見てたから変な噂たてられてたよ」


あたしは前に向き直って言った。


「変な噂、ですか?」


「うん、好きだの付き合ってるだの言いたい放題言っちゃってさ」


笑って言うと奥原は黙った。


「別にそんなわけ無いのにさ。あたしのせいで変な噂たっちゃって、迷惑かけちゃったらごめんね」


すると奥原が歩くのを止めてピタリと止まった。


「僕は迷惑じゃないですよ」


「え?」


あたしも立ち止まる。