次の日、学校へ向かう途中、奥原とばったり出会った。


「あれ?奥原?」


「おはようございます」


「この道通学路なの?」


高校が始まって3ヶ月たって通学路で奥原を見た事はなかった。


「はい、いつもはもう少し早いんですけど今日は本を見ていたら時間になっているのに気が付かなくて」


ヘラっと奥原は笑った。…なんか可愛い


それから歩きながら奥原の方を見る。


「朝から読書なんてよくできるね、あたしには無理だな〜」


「楽しいですよ、色々な事が分かります」


「時間が経つのは忘れるけど」


あたしが言うと奥原は照れたように笑った。