「はい。
俺の部屋に忘れて行ってたよ。
朝、そんなに慌てて出ていったの?
俺のこと、起こしてくれてもよかったのに」
あ!!
そこには、私が昨日つけていた腕時計が置かれていた。
慌てて左の手首に手を当てると、確かに腕時計をしてない!
外してそのまま忘れてきちゃったんだ。
って、そうじゃない。
今はそれどころじゃない。
山道さんは、何て場所で何て事を言うんだ…。
恐る恐る先輩の方を見てみると、他の人の対応に追われてこっちの話には気づいてないみたい。
…よ、よかった。
ただ、隣で聞いていた男性は、私と同じようにぎょっとしてる。
事実よりも大きなことを察してしまったんじゃ…。
そりゃ、そうだよね。
あることないこと、意味を含ませた言い方をしたもん、この人!
「ちょ…」
何か弁解をしようと立ち上がるが、その前に山道さんが話始めた。
「で、あなたは、園川さんを食事に誘う気なんですか?」
優しいトーンだけど、何かを含んでる。
その笑顔が逆に怖い。
「いえ…」
小刻みに首を横に振ると、男性は立ち去ってしまった。
きっと誤解をしたまま。
山道さんの言ったことは間違ってはないんだけど、完全に勘違いされた。
ただ同じ部屋で過ごしだけなんです、なんて言ったところで…、きっと誰も信じてくれないだろうな。
俺の部屋に忘れて行ってたよ。
朝、そんなに慌てて出ていったの?
俺のこと、起こしてくれてもよかったのに」
あ!!
そこには、私が昨日つけていた腕時計が置かれていた。
慌てて左の手首に手を当てると、確かに腕時計をしてない!
外してそのまま忘れてきちゃったんだ。
って、そうじゃない。
今はそれどころじゃない。
山道さんは、何て場所で何て事を言うんだ…。
恐る恐る先輩の方を見てみると、他の人の対応に追われてこっちの話には気づいてないみたい。
…よ、よかった。
ただ、隣で聞いていた男性は、私と同じようにぎょっとしてる。
事実よりも大きなことを察してしまったんじゃ…。
そりゃ、そうだよね。
あることないこと、意味を含ませた言い方をしたもん、この人!
「ちょ…」
何か弁解をしようと立ち上がるが、その前に山道さんが話始めた。
「で、あなたは、園川さんを食事に誘う気なんですか?」
優しいトーンだけど、何かを含んでる。
その笑顔が逆に怖い。
「いえ…」
小刻みに首を横に振ると、男性は立ち去ってしまった。
きっと誤解をしたまま。
山道さんの言ったことは間違ってはないんだけど、完全に勘違いされた。
ただ同じ部屋で過ごしだけなんです、なんて言ったところで…、きっと誰も信じてくれないだろうな。


