永久の誓いからの逃亡

真綾が俺の左側に並ぶ。
いつもの並びだ。

「次会うのはいつになるかわかんないからね」

「次は結婚式なんじゃねーの?」

「そうかも」

笑顔で照れながらも、迷うことなくそう返すのか。
あー、胸が痛い。

昔なら、“だったら次に会うのは、何十年後になるかもしんないよ?”なんて返してきてたのに。

結婚が現実になる。
今までは全部、仮の話でしかなかったのに。

「あの山道って人、そんなに良いの?」

「うん、素敵な人だよ」

そんなふうに言われても、全く腑に落ちないんですけど。

「なんで?
真綾の好きなタイプって、アナウンサー系の爽やかな男じゃなかった?」

「よく覚えてるね」

「まーね」

そりゃ覚えてるに決まってる。

そう近づこうと努力してみたりもしてたんだから。