でも、真綾の瞳はすぐに俺からあいつへと移る。

「もう電話終わったの?
お父さんが駿くんと話したがってるよ」

「そっか。
じゃ、戻ろうかな。

それではまた」

なんとなく目を逸らす。
また、なんてあるかよ!

2人で揃って家の中に入っていく。

やっと落ち着ける。

と思ったら、すぐにまた真綾が1人出てきた。

ん?

なんだ?

「どうかした?」

「駿くんがね、悠斗くんと話してきたらって言ってくれたから。
私も話したかったしね」

あいつが?

「あぁ、そう」

山道駿也。
あんたこそ何考えてんのかわかんねーよ。

俺と真綾を2人きりにして、不安じゃねーの?

それとも婚約者の余裕か?