「じゃ、俺はそろそろ」

1人、こそっと抜け出す。
これ以上、あの2人の幸せそうな光景は見ていられない。

真綾の目が、あの男に向いてる時間がどれだけ長いか。
今までずっと真綾を見てきた俺だからわかること。

あいつは、本気であの男を…。


何が悪かった?
どこから間違えた?

どのタイミングで真綾に気持ちを伝えたら良かったんだ?

真綾を忘れるために、適当に彼女を作ったりもしてた。
それが良くなかったのか?

わっかんねーよ。

はぁ。

家の前で大きなため息をつく。
もう歩く力すら湧いてこない。