君がいた ~夏と海と鮮血の狭間で~

好きになっちゃったもんは仕方ないよね。

仕方ない...か...

でもさ、

「やだぁ湊くんおもしろぉい♡」

「そ、そーかな」

大きい声出してさ、丸聞こえなんだけど?
何?見せつけてるの?

「照れてるのぉ?
やだ、可愛い〜♡」

「えっと、あ、あの」

ほら、みーちゃん困ってんじゃん。
私の彼氏なんだからそんなに胸押し付けないでよ。

「彼女いるんだったけ〜?
...ねぇそんな子やめて私と付き合わない?」


...ブチッ


「もう...限界なんだけど...」

「え?なっちゃん?今なんて、」

もー、一言言ってやんないと気が済まない!

あんな胸だけでかいようなやつに負けてられない!

そーだよ!

私はみーちゃんの彼女なんだから
堂々としてていいんだ!

私は水をバシャバシャさせながら
みーちゃんたちの方へ近づいていく。

でもまだちょっと勇気が出ないのか
私の足は膝下あたりまで水に浸かったままだ。


「ちょっと!私の彼氏に近づかないでよ!」

「なにー?え、あんたが彼女?」

見下したような目。

むかつく〜!!

「彼女だよ!ちゃんと愛されてんだから!」

「えー?ていうかぁちっちゃいね〜」

「背とか関係な...!」

「あはは!ほんとちっちゃ〜い♡」

違う。

確かに背のことも言ってるけど
視線は、ハイエナたちとは正反対の
ぺったんこなまな板を見ていた。