目の前に広がるのは青く透き通った海。


「これが、海...」

私の親はかなりの心配性で、
「水辺にだけは絶対に行くな」
って散々言われ続けてきた。

島っ子なのにさ、おかしいよね。


...でも、やっと来れたんだ。

私は潮の香りを目一杯吸う。

いつの間にか到着した由梨達も
キラキラ輝く海に見入っているようだった。


時は八月上旬の夏休み。


実はこの日のために水着も買ったんだよね〜

ほら、『ビキニ』ってやつ。
ふふふっ

私はパーカーの下に着ている
淡い水色の水着を思い出す。

あ〜早く泳ぎたいっ!!

「由梨!早く行こっ!」
「うん!」

私達はパーカーとサンダルをぽいっと
投げると走り出した。

足で砂を思いっきり蹴散らかす。

...ん?なんかさ、
気のせいかな?

「熱い」

熱っ熱っ!

いや、これはもしかしなくとも
熱いですよ!

す、砂がぁ!!

焼ける!