ヒロとキリは家の方向が一緒だ。
私は真反対。
「咲良、気を付けてね。」
「じゃあな。」
「うん!ばいばい!」
そういって背を向けた。
「また一人・・か・・・」
ふと学校の校庭を見た時陸上部がグラウンドで走っていた。
何か叫んでいる顧問。
私は目が悪いから目を細めた。
「前川先生だ。」
陸上部の顧問とは思えない。
細身でいかにも文化部っぽかったから。
そこで何故か分からないけど私は決心した。
「今日、別れよう。」
夜、毎日のように繰り返される喧嘩の途中、私は思い切って言った。
「もう終わりにしない?」
