「猫くんのとこ行こう!!マジやばーい!!」

「あ、ちょ、梨乃…!?」


梨乃に腕をつかまれ、そのまま猫くんのいるゴール地点まで引っ張られていく。


いや、

ちょっと

無理。


今猫くんの所行っても、私、何話していいかわかんないし…!!

どどど、どんな顔したらいいのかもわからないし…っ、

それに、何より……!!


「ゆでだこ」

「!!」


聞き慣れた、冷めたような声。

いつの間にか、あの猫くんが目の前にいた。


何より。

―――…恥ずかしい。


「猫くんやっぱ走れば速いんじゃん!!見直した私!!」

「うっさ……」

「これでリレーも心配ないね!!玲央とのバトン渡しも大丈夫?」

「あいつが俺に合わせるから良いとして、問題はそこのゆでだこでしょ」